最果ての月に吠える
でもリューネに対しては違った。





ただ自由を知らない彼に自由を見せたかったという理由で動物達を解放しようとしていた彼女の瞳は初めて彼女を見た時からずっと輝いていた。





僕が何とかしてあげたいと、僕ならその助けになるんだと思えた。





漠然と動物が好きで選んだ飼育員の人生の中で計画を練っている時が一番充実していた。





それがリューネへの愛だったのかはわからない。





だがリューネの放つ流れに僕が巻き込まれたのはわかった。





彼女自身が自由になるために、触れ合った人のわだかまりを一つずつ消化していく無意識に救われたのだ。





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