最果ての月に吠える
「君は鳥じゃない。翼もないんだ。飛び降りても落ちるだけだ」





俯いていた。





静かに拳を握り締め小さく震えていた。





「ヒカル、教えてくれ………」





突然振るわれた彼の手が僕の頬を打った。





叫び声を上げながら包帯が巻かれた両手をばたつかせ暴れている。





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