最果ての月に吠える
鎮静剤を打たれて落ち着いたヨシキが診察を受けている間、僕とリューネは屋上へと歩いた。





けれど階段でリューネが言葉を発することはなく、僕は仕方なく黙っていた。





屋上に出ると西日が紅く僕らの横顔を染めた。





リューネはタバコに火を点けると大きく吸い込んで一気に吐き出しす。





「大江先輩はストレスが増えて不安定な状態だった。だからアナタを会わせた私にも責任はある。でも、どうして先輩を追い込んだりしたの?」





「理由なんて、ないかもしれない」





やりたいこと全てに理由は必要なんだろうか。





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