意地悪てぃーちゃー
「心。泣いた?ってか、話聞かせろ。」


そう言った、井澤の顔は少し切なそうで、でもニヤけていた。


「泣いた。卒業したら、迎えに来るって。」


「へぇ。まぁラスト1ヶ月、思い出作っとけよ?何かあったら、また話して。」



そんな話をしながら、あっと言う間に家に着いた。


「先生。ありがとう。」


「おう。また明日な。」


それだけ言うと、井澤は帰っていった。


あぁ~。夢じゃないよな?
やったーーーーーっ!!


うちはこの頃、浮かれすぎて高橋の悩んでる事に気付かんかった。
気付けんかった。




時は流れて、高橋と会える最後の日になった。
あの日から時間が過ぎるのは早くて、もう今日で最後。


いつものように、2人で最後まで仕事をしていた。


「高橋ちゃん。今日で最後やな。やっぱ、寂しいなぁ。」


「あぁ。うん。北沢…ごめん。」


えっ?
いつもは名前で呼ぶのに、何で名字なん?
ごめんってなんなん。
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