意地悪てぃーちゃー
「いやっ別に。うち仕事あるから、先戻りますね。」


うちは逃げるように、高橋ちゃんの前から立ち去った。


自分の席に座ると、一気に身体のダルさが襲ってきた。

…気分悪い。
あともうちょい。
あともうちょい頑張ろ。


うちは気合いを入れて、ぼんやりと競技を見ていた。

プログラムは終盤で、もうちょいで組体やって時に、井澤が戻って来た。



「よっ。フラフラしてるけど大丈夫か?」


「んっ?全然大丈夫やで。」


井澤は高橋ちゃんの事には触れへんかった。
井澤のそんな気遣いに、うちは安心していた。


そしていよいよ組体が始まった。
井澤も3年の担任やから、組体の補助に行った。

うちは生徒会席の真ん前で、男子の組体を見ていた。


やっぱ凄いなぁ。
この学年でよかった。


うちは男子の組体を見ながら、そう思っていた。


ラストのピラミッドも見事に決まって、男子のサプライズが始まっていた。

男子も大成功で、そのまま閉会式が始まった。
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