意地悪てぃーちゃー
印刷室に着くなり、井澤はコピー機3台全部に電源を入れた。


これってさ、もっと人数いるんじゃ無いかなぁ…
絶対二人でとか無謀やん。


「よしっ。印刷したやつ置いていくから、これで切ってそっちに置いていって。んじゃ開始。」


コピー機が慌ただしく動きはじめた。

うちはコピーされた束を、どんどん切っていった。


切っても切っても減らへんコピーの束…。
いつの間にか印刷は全部終わってて、後は切る作業だけとなった。


今までうち一人やったけど、井澤も切るのに移って二人で黙々と切っていた。


「しゃー終わった。心、ありがとうな。さすが会長。」


「どういたしまして。んじゃ、うち帰ります。さようなら。」


「待て。遅なったし、送ってったるわ。心も一応女の子やし。」


一応女の子って…
ヒドくないかそれ。

井澤の馬鹿野郎ーーっ。


「別に大丈夫やし。うちなんか襲われませーん。」


「あっ…悪かったって。冗談や冗談。最近不審者多いし、本間に危ないから送って行く。んじゃ帰るぞ~。」


結局うちは、黙って井澤の後ろを着いて行った。
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