意地悪てぃーちゃー
第3章

受験ムード

短い短い冬休みも終わって、学校が始まった。
短い冬休みも勉強勉強の毎日やった。


学校が始まって、クラスも学年も受験ムードが漂っていた。
もうすぐ卒業やのに、思い出にも浸られへんぐらい周りがピリピリしてた。


「あぁ~こんなん息詰まるわ。」


うちは誰も居らん教室で、ポツリとつぶやいてみた。


「何が息詰まんねや?」


うちは声のした方を見ると、やっぱり井澤が立っていた。
あぁ~また勉強勉強って言うんやろな。


「んっ?最近の受験ムード。」


「あぁ~。なんかピリピリしてるもんなぁ。家でも学校でも勉強勉強…。そりゃ息詰まるわな。」


井澤はうちの近くの席に座った。


「うん。勉強せなアカン事はわかってるけど、ちょっとしんどいや。」


「心が珍しく弱気やな。まぁ息抜きも必要やわな。

今は不安とか、しんどい事とかいっぱいあると思う。

でもな、周りに流されんでいい。
しんどかったら、ちょっと息抜きも必要やから。

まっ息抜きばっかも逆にアカンけどな…。」


あぁー
やっぱ井澤が担任でよかった。
井澤の話を聞きながら、うちは改めてそう思った。


「なんかありがとう。元気出てきたわ。」


「おう。またしんどなったら、話聞くからな。あんま溜め込むなよ?」


「はーい。んじゃ先生また明日。」


うちは井澤に手を振って、教室を出た。
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