意地悪てぃーちゃー
バスに乗ると、心が一人で座ってんのが見えた。

確かアイツって、乗り物酔いしやすかったはず…。
俺は迷わず、心の隣に座った。

心はそんな俺に気付いたのか、あからさまに不機嫌になっていた。


「はっ?先生前座ってや。何が悲しくて、先生の隣やねん。」


「お前が酔いやすいから。すぐ介抱出来るようにな。まぁうれしいやろ?」


俺が心にそう言うと、心は考え込みだした。
多分、心の頭ん中ハテナマークばっかなんやろな~。
うわ~おもしろ。


「なんで酔いやすいの知ってるん?先生ストーカー?」


はっ?
なんでストーカーになんねん。
やっぱ心やな…。


「アホか。ストーカーなんかせえへんわ。心のお母ちゃんから聞いた。」


心はまた考え込み始めた。
もうそろそろ、考えんのやめるな…。

俺がそう思った時、やっぱ心は考え込むのをやめて窓にもたれた。
はっ?寝んの?

俺はそんな心を、いつの間にか起こしていた。


「心~起きろ。お前が寝たら、俺寂しいやろ。」


あっ…やべぇ。
めっちゃ怒ってる。

でも、嘘ではないからな~。
普通の子やったら、寝えへんはずやのになぁ。
俺、人気やし…。

自意識みたいやけど、俺は結構囲まれたり告られたりしてた。
でも、コイツだけは初めから冷めてた。
まぁそれが心やもんな。
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