意地悪てぃーちゃー

「はぁ？先生も寝たら。」


相変わらず冷たい心。
俺だって寝たいですとも。


「俺は先生やから、寝れんの。心怒ってる？」


「当たり前。寝かせろばーか。先生も寝たってばれへん。一緒に寝よ？」


心はそれだけ言うと、窓にもたれかかって目を閉じた。

いやいやいや・・・。
一緒に寝よ？ってアカンやろ～。
心、俺はお前をそんな子に育てた覚えは無いぞ。


俺はココロの中で、そんなつっこみをしながら心を見た。


・・・・・おかしい。


心の表情は少し苦しそうで、青ざめていた。


「心…大丈夫か？気分悪い？」


「大丈夫…。」


コイツはどこまで素直じゃないねん。
心こそ頑張りすぎや。


「そんな青ざめた顔で言うても、説得力無いで？水飲め。」


俺はさらの水を、心に渡した。
心はそれを少し飲んで、俺に返した。


「空港までもうちょいあるな～。俺のひざを枕にして寝とき。窓やと、振動受けやすいから。」


俺はそう言って、心の頭を自分のひざの上に乗せた。
相当しんどいんか、心はなんの抵抗もせぇへんままやった。

しばらくして、心が眠り始めた。
俺はそんな心を見ながら、心の頭を優しく撫でていた。

バスの中は、ガヤガヤしてんのに俺と心だけは、まるで別世界に居るようやった。