意地悪てぃーちゃー
部屋に響くクラッカーの音。
そして、学年で歌い始めたバースデーソング。

今日は荒木先生の誕生日やった。
うち等の学年は、基本先生と仲良くてこんなサプライズはよくあった。

歌が終わると、荒木先生がケーキのロウソクの火を消した。
少し泣きそうな荒木先生…。
チラチラこっちを見ながら、やられたって顔をしていた。

まだまだこれからや。
うちはそんな荒木先生に向かって、笑顔で返した。


うちは今から、荒木先生を泣かす事を言うことになってた。
やっぱ、泣いて欲しいよな~。


実行委員からマイクを受け取り、うちはゆっくりと話始めた。
途中で半泣きになりながら、荒木先生は聞いていた。
うちが全部言い終わると、荒木先生はもう泣きそうやった。


「えぇっと、今日はみんなありがとうございます。こんな誕生日初めてで、めっちゃ嬉しいです。こんな俺やけど、これからもよろしく。今日は、本間にありがとう。」


荒木先生はそれだけ言って、笑顔を見せた。

そして、ちょっとレクをして終わった。
今からは部屋に戻って就寝。


……寝るわけ無いけどな。
恒例のガールズトークの時間ですね。

うちが部屋に帰ろうとした時、荒木先生に呼び止められた。


「北沢~泣かしてくれるやんけ。絶えんの必死やってんからな?まぁありがとうな。」


「泣けばよかったのに。はいよ~。今日はお世話になりました。荒木ちゃん…(笑)」


「部屋で泣くもん。はいよ。ちょっ…心ちゃんまでやーめーて。」


もう荒木ちゃんやな。
決定ーーーーっ。

うちは荒木ちゃんにアッカンべーを思いっきりして、その場から逃げた。
自分の部屋に着くと、もうみんなガールズトークを始めてた。


うちはそれに入って、みんなの話を聞いてた。
あぁ~修学旅行って感じやなぁ。


しばらくして、見回りの先生にバレて怒られた。
それからみんな寝始めた。
< 48 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop