意地悪てぃーちゃー
「アホかっ。それをサボってる言うねん。…ってか、見え透いたウソつくな。」


そう・・・
心は今にも泣きそうな顔をしていた。

そんな顔すんなよ。
俺は、そんな心に優しく話し始めた。


「なぁ心。お前の気持ちは、痛いぐらいわかる。無理に忘れろとも言わん。でもな、ゆっくり前を向いて歩き出せ。じゃないと、この先も心がしんどくなるぞ。」



心なら、高橋の気持ちも考えられる…。
お前が前に進まな、アイツも前に進まれへん。



「うん。もう思い出になってんのに、不意に思い出すねんなぁ…。あの手紙も、最後の高橋ちゃんの表情も。こんなんじゃアカンよな。」


苦笑いしながら話す心。
俺は真剣に心の話を聞いてた。

なぁ心…。
なんでそんなに強がるんや?
俺の前では、強がんなよ。


俺はなんとも言えん気持ちになった。


「強がりよって。高橋の手紙、今持ってる?」


手紙があれば、読んでしまう。
やっぱ、渡さんかったらよかったかなぁ。


「うん。」


「貸せ。」


俺は心から高橋の手紙を受け取って、それをポケットの中に直した。


「これは、心が卒業するときに返す。それまで没収や。それと、ちゃんと英語の授業受けること。」


「絶対、中身読まんとってな。ちゃんと受けるし。」


「高橋の書いた手紙とか、興味ありませーん。荒木ちゃん泣いててんからな~。あっ…荒木ちゃん連れてこよ。ちょい待ってて~。」


俺は心を残して、職員室に向かった。
ちょうど手紙もしまいたかったし。
中身は気になるけど、俺は読んだらアカン気がした。

大事に机の中にしまって、荒木ちゃんと一緒に生徒会室に向かった。
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