意地悪てぃーちゃー

「卒業までちゃんと見守るよ。それで今までもこれからも、俺はアイツの先生で居るかな。」


そうや。
俺の気持ちは捨てなアカン。
教師やから…。


「井澤先生…。それは綺麗事っすよ。俺は教師とかそんな立場、関係無いと思います。偉そうな事言うてすいません。」


荒木ちゃん…
なんでそんな悲しげな顔をするんや？

でも荒木ちゃんに言われた事は、すんなり俺の中に入って来た。


「いや…俺どうしてええかわからんねん。なぁ荒木ちゃん。荒木ちゃんも前の学校でなんかあった？」


荒木ちゃんはびっくりしてた。
そして苦笑いしながら、話し始めた。


「俺も生徒を好きになりました。両想いになって、でも俺の転勤は決まってた。やから俺も、高橋先生と同じ事を言うてこの学校に来たんです。」


やからか…。
…って、心と被らんのかな？


「そうやったんか。で、迎え行くん？てか、心とその子被らんの？」


「迎えには行かないです。昨日電話して、突き放しました。未来があんのに、俺が縛り付けるなんて出来ないっす。北沢とは、被る事もありますよ。北沢の話聞いて、俺のしたことは間違いやったかなとも思います。」


荒木ちゃんの表情は、寂しそうやった。
本間に好きやから、手放さなアカン時もある。

俺は一体…？


「あっ井澤先生は深く考えんと、気持ちのまま動く事です。それが井澤先生にとっても、北沢にとってもいいと思います。」


荒木ちゃんの言葉は、本間に説得力があった。
気持ちのまま動くかぁ…