意地悪てぃーちゃー

二人の放課後

「北沢?なんで帰らんの?」


「生徒会。」


荒木先生は納得したような表情を浮かべた。


「あっ荒木先生。ありがとうございました。僕も今から生徒会なんで、もう職員室戻って大丈夫です。」


井澤はそう言って、笑顔を浮かべていた。
荒木先生は、わかりましたとだけ言って職員室に戻っていった。


「しーんー。こっち来いよ。ってか、荒木先生に対して冷たすぎるやろ。」


「別に。」


うちは井澤と向かい合うように座った。

多分、めっちゃ真剣な話し合いなりそうやな~。
井澤の雰囲気で、そう感じた。


「まぁ本題入ろか。実は明日の離任式、高橋先生が来る。」


・・・・・・

・・・高橋。


生徒会の前の顧問で、うちが大好きやった人。
あんな別れ方したのに…
会いたくはないし、忘れたい。


「心?ごめん。明日の挨拶はやっぱ無しにしてもらう。お前は、生徒会室居れ。」


井澤だけは、全部知ってた。
うちと高橋のこと…。


「いや。大丈夫やで。いつまでも、先生も気にし過ぎやって。ちゃんと挨拶もするから。」


「…ったく。んな泣きそうな顔して、言うな。俺の前では強がらんでいいから。」


井澤がそう言った瞬間、我慢してたもんが一気に溢れ出した。
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