僕らだって恋をする。
俺は一足先に出ようとしたら、

「修吾、帰ろうぜ」


章斗がやって来た。


「おう。」

廊下を歩き、昇降口に向かう。


「どうだった?」


「完璧

章斗は?」


「俺も完璧」

章斗は笑いながら靴を取り出す。


俺は靴を履きながら

「学年トップが完璧って言うと…

満点だとしか思えねぇよ。」


と、振り返る。


章斗も靴を履いて外に出た。


「全部答えたのか?」


「……ああ。

補習には出ないことにした。


顔見ちゃうと…諦められなくなるから。」


「そっか。いいんじゃないか?」


夏空の青さは、何だか目にしみて…


口角が上がりながらも、涙が浮かんだ。


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