僕らだって恋をする。
伝えることができない……


いや、許されないかな?


でも、俺の立場ではまだ伝えることはできるはずなんだ。


本当に、伝えることが許されなかったのは修吾だと思う。



あいつはそんな苦しい想いを抱いておきながら、最後は素直に京先生の幸せを願った。


《スゲェよな……修吾…》

そんなことを思いながら、俺は教室に戻った。


「お帰り、お疲れ」

席に着こうとすると、隣の席の凛香がそう言った。


「……気づいたのか?」


「だって章斗、申し訳なさそうな顔してる。

それにカバンはあったのに姿が無いから……すぐわかったよ。」

何年幼なじみやってると思ってんの?と笑われた。


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