依存偏愛
side*SHIZUKU
大谷くんに、酷い言葉を吐いた。
あれほど優しい彼を、私はきっと傷つけた。
そんなこと、私自身が1番、ちゃんとわかっている。
あの、雨の日から一週間。
その間、大谷くんに会ってはいない。
もちろん、連絡だってしてはいない。
お互い、気まずいのは当然だと思うし、あんなことを言い放ってしまった手前、どんな顔して大谷くんに会えばいいかなんて、私にはわからないから。
唯一、選抜メンバーでの練習が計画されてなくて、大谷くんに会う機会がないことが今の私の救いだった。
それでも、この一週間。
私は旭ちゃんとの間でさえ、連絡を取り合ってはいない。
旭ちゃんの声を聞いたら、全て話してしまいそうで。ごまかす私の声色に、旭ちゃんが何かを気づいてしまいそうで。
全てを悟られるのが、ただ、怖かった。
着信が来ても無視し続ける私の携帯の着信履歴には、旭ちゃんの名前だけが増え続ける。
未読メールの数も、普段ではありえないような数になった。
それでも、私は。
今の状態で、旭ちゃんと電話もメールも、したくはない。