依存偏愛
しかも、私が旭ちゃんに知られたくないことは、ひとつではないのだ。
「ねー。いつ、大谷くんと別れてくれんのかなー?」
止まらない、いじめ。
毎日毎日、呼出しというよりも、半強制的に人気のない場所へと連行されて。
万が一痣ができたとしても、制服で見えない場所に何気なく繰り出される暴力。
「いい加減、別れてくんないかな。超目障りなんだよね。」
私を、何だと思ってるんだろう。
何でそんな理不尽な理由で、殴られたりしなきゃいけないの。
何で私が、この人達のストレスのはけ口にならなきゃいけないの。
「だいたい、アンタなんかより茜の方がよっぽど、」
「もう、別れたよ。たぶん。」
もう、散々だった。
こんな私も、それを取り囲む環境も。
例の3人のうち1人が話す言葉を遮り、口から飛び出した言葉は思いも寄らない内容だったけれど。
あまりにもすんなりと言い切った言葉に、畑島さんを含む4人だけじゃなく、私自身も驚いた。