依存偏愛

「…ちょ、いきなり何言ってんのアンタ。別れたって……?」

「言葉、そのままの意味だよ。わからないの?」


でも驚きを感づかれることなく平静を装い、淡々と言葉を紡ぎ続ける。

まぁ正確には、お互いに別れを告げた訳ではないし、大谷くんが私の暴言を他人に言いふらすとは考えにくい。

だからきっとまだ、学園内では私達が付き合っていることになってるのだろう。

けれど私は彼に“大キライ”だと告げた。
優しい彼を、突き放した。
だからもう、終わったも同然の関係に過ぎない。


「私と大谷くんは、もう別れたの。」


状況を飲み込めていない彼女達を尻目に、再度、まるで確かめるようにしっかり、4人へとそう言い放った。

でも刹那、深く抉るような痛みが胸を突き刺す。何とも無いことを話しているのに、何故か。不意に大谷くんの笑顔が脳裏をよぎって、さらに胸は締め付けられた。
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