依存偏愛
side*ASAHI
電話にしろメールにしろ、全く雫との連絡が取れなくなってから、今日で1週間。
何か凄まじく嫌な予感がするのが、気のせいであればいいのだけど。
相変わらず頭上に広がる空を見上げ、小さく息を吐く。同じ空の下に居るっていうのに、どうも最近雫との距離が遠く感じるのは何故なのか。
そんなことばかり心配して、まともに授業も受けずにサボってるあたしには、進学校に来た意味なんてこれっぽっちもない。
ふとそんなふうに思って、携帯を握りしめた手に視線を落としながら自嘲した。
刹那、聞き慣れたドアの開閉音が屋上に響く。下手に振り向く必要も無いと判断してそのままでいれば、人の気配はあたしのすぐ隣で動きを止めた。
「また、サボっとるんじゃな。」
…――椎名。
まるで何事もなかったかのように、あたしに話し掛けて来るけれど。こいつには、気まずさとかそういう類の気持ちは無いわけ?
そもそも、サボってるのはあたしだけじゃない。自分のことを棚に上げてよく言う。