依存偏愛
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入学式から3日。
顔見知りが多い分、緊張感とかも無いけれど新鮮味もない。
それよりもただ、旭ちゃんがいないのが寂しくて、つまらなかった。
「おーい、笹川さん。」
放課後、昨日入部届を出し終えていた私は、1人体育館へと向かおうとしていた。
そんな私の背中にかけられる声。廊下の中央で立ち止まり、ゆっくりと後ろに振り返る。
するとそこにいたのは、同じクラスの男子2人。どちらもよく知っている、大城くんと白戸くんだった。
「何?」
「うん、笹川さんもどうせまたバスケ部マネかなぁって思って。俺とユーマもバスケ部だし、一緒に行かない?」
「ちょお、何や涼介。ユーマじゃあらへん、悠真や。」
「どっちも変わんねーじゃん。」
そっか、この2人もやっぱりまたバスケ部か。中等部時代も選抜に選ばれたりして、大活躍だったもんな。
それに、よく知る2人が同じ部活になるのは、どちらかと言えば嬉しい。きっと旭ちゃんも、またお馴染みのメンバーに会えたら嬉しいと思ってくれるはず。
そんなことを思ったら、目の前の相変わらずくだらない言い合いにも、少しだけ笑ってしまった。