依存偏愛

◆◆◆


入学式から3日。
顔見知りが多い分、緊張感とかも無いけれど新鮮味もない。

それよりもただ、旭ちゃんがいないのが寂しくて、つまらなかった。


「おーい、笹川さん。」


放課後、昨日入部届を出し終えていた私は、1人体育館へと向かおうとしていた。

そんな私の背中にかけられる声。廊下の中央で立ち止まり、ゆっくりと後ろに振り返る。

するとそこにいたのは、同じクラスの男子2人。どちらもよく知っている、大城くんと白戸くんだった。


「何?」

「うん、笹川さんもどうせまたバスケ部マネかなぁって思って。俺とユーマもバスケ部だし、一緒に行かない?」

「ちょお、何や涼介。ユーマじゃあらへん、悠真や。」

「どっちも変わんねーじゃん。」


そっか、この2人もやっぱりまたバスケ部か。中等部時代も選抜に選ばれたりして、大活躍だったもんな。

それに、よく知る2人が同じ部活になるのは、どちらかと言えば嬉しい。きっと旭ちゃんも、またお馴染みのメンバーに会えたら嬉しいと思ってくれるはず。

そんなことを思ったら、目の前の相変わらずくだらない言い合いにも、少しだけ笑ってしまった。
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