依存偏愛

でもそんな私の戸惑いを知る由もなく、大谷くんは真剣な表情で続ける。


「じゃあ、もし、仮に。2人が一緒に居られない状況になったとしたら、どうするんですか?」

「一緒に居られない?」

「仮に、の話ですよ。」


仮に、だなんて。
たとえ仮の話だとしても、そんなことは考えたことも無いし、考えられない。

だって、きっと……、


「……生きていけない、と思うな。
少なくとも、私は。」


甦る、過去。
あのときだって、私は旭ちゃんがいたから堪えられた。だからもし、今、また旭ちゃんが居なくなってしまったら、私はきっと生きていけない。

考えるだけで、コワイ。


「旭ちゃんはね、私の支えなの。だから、誰よりも私の傍に、居てくれないとダメ。」


旭ちゃんが私ほど、強く私の存在を求めてくれているかは、わからないけれど。
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