依存偏愛
そんな過去の決まり事を思い出しながら、隣の彼女へと視線を向けた。
私より数センチ大きい身長の彼女を見上げれば、記憶の中の面影と重なる。
「……畑島、さん?」
「そうそう、畑島茜!忘れられてたらどうしようかと思っちゃった。」
そう言って笑う彼女、畑島茜さんは、私が中等部1年のときに同じクラスだった。2年の半ばに転校しちゃったけれど、そっか。高等部には、戻ってきてたんだ。
「笹川さんは何?また男バスのマネやるの?」
「うん、そうだよ。……畑島さんは?」
「あたし?実はさ、あたしも男バスのマネやることになっちゃって。先輩マネが怪我なんかで仕事できないらしくて、その代わりにマネ就任!」
「そっか。」
私の他に、もう1人マネか。
別にどうでもいいけれど、きっと彼女のテンションに私はついていけないだろうな、なんて、漠然と思ったりした。