依存偏愛
椎名がそれを本心で言っているのか、はたまた冗談で言っているのか、飄々とした表情に隠れて、真意は汲み取れない。
けれど、あたしは前にも言ったはずだ。
復讐にしろ、何にしろ、椎名の協力を仰ぐなんてありえない。椎名には借りを作ってはいけない……否、作りたくない。
「……前にも言った。あたし、あんたにだけは借りを作らない。」
「借りなんて気にせんでもいいがやき。俺も、前に言ったはずじゃ。片倉が好きじゃって。じゃけぇ、その俺ん気持ちを、おまんは利用すればいいだけの話ぜ。」
けれど強く言い放ったあたしに、当然ながら椎名は怯むことなく屁理屈を並べ続ける。
口角を微かに上げながら、真っすぐあたしを見つめる椎名の視線が、痛い。