依存偏愛

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星南バスケ部恒例の選抜メンバーは、毎年この早い時期に発表される。

それには理由があって、ゴールデンウイークにはすぐに、選抜メンバーは藤宮大附属との合同合宿を控えているから。

案の定今年も例外ではなく、自己紹介もままならないまま、過去の実績と練習態度を考慮して選定される。

選ばれるのは、5人。
中等部3年生からも選定されることを考えれば、高等部からは3〜4人選ばれるのが妥当かな。


「…――今から、今年度の選抜メンバーを発表する。名前呼ばれた奴は、前に出てこい。」


そんな顧問の声が響き、ただでさえ静まっていた体育館が余計に静まり返る。その雰囲気に居心地の悪さを感じたのか、隣の畑島さんが微かにたじろいだ。


「まず、1人目。――高等部2年、神部怜吾。」

「はい。」


あ、神部先輩だ。
神部先輩は、メンバー資格のある中等部3年生のときからずっと、メンバーに選ばれてきた強者。

外見もカッコイイって、クラスの女子が騒いでたっけ。旭ちゃんは全く、興味ないみたいだったけど。
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