依存偏愛

◆◆◆


午前中の練習は12時まで。午後の練習は14時から始まる。


「旭。」


各々、自由に仲の良い同士で昼食を食べている中、離れて食べようとしていたあたしにかけられた声。

無遠慮にも、あたしを名前で呼び捨てる男なんて、ひとりしかいない。


「……何。」

「何、じゃなか。一緒に飯を食おうと思うただけやき。」

「結構。あんたとなんて、絶対食べない。」

「相変わらずつれないヤツぜよ。」


くくっと、押し殺したように笑う椎名は、相変わらずムカつく。


「……いつまでついて来る訳。」

「さぁな。」


いいなんて一言も言ってないのにずっとついて来るから、諦めて宿舎内の中庭にあるあの白いベンチで腰をおろした。

もちろん、椎名もあたしの横に腰掛ける。背筋を伸ばすように両手を空に突き上げている椎名を横目で見て、あたしは小さく息を吐いた。
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