依存偏愛
空が、青い。
今朝、寝ぼけ眼で作ったおにぎりを頬張りながら、ただ漠然とそう感じた。隣の椎名は、早々に弁当を食べ終えてしまったらしく、ベンチにもたれて目を閉じている。
まったく、何のためにあたしについてきたんだか訳がわからない。何も話さないのなら別に中にいれば良かったのに、なんて、椎名のことを考えている自分自身に気づいて自嘲した。
刹那、静かな中庭にドアの開く音が響く。
一体誰がこんなところに来るのかと、今来ている自分のことを棚に上げてドアの方向に目を向ければ、そこに居た人物に目を疑ってしまった。
「旭、ちゃん。」
「……雫。」
なぜならそこに居たのは、あたしが今日ずっと避け続けた、雫だったのだから。