依存偏愛
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「雫先輩!」
彼女達が立ち去った後も立ち上がる気力さえなく、仰向けのまま空を見上げていた私に駆け寄ってきたのは、紛れも無い大谷くんだった。
「…っ、大丈夫ですか?」
眉毛をハの字に垂れ下げ、心配そうに私を抱え上げる彼の表情は哀しそうに歪み、腕は微かに震えている。
「大丈夫だよ、大丈夫……。」
…――どうして君が、そんな顔をするの。
“大丈夫”と紡ぎながら、必死に口角を上げたけれど、きっと上手くは笑えてないのだろう。
強く唇を噛み締めた大谷くんを見て、忘れていた身体の痛みが蘇り、うっと小さく声がもれた。