依存偏愛

「……で？用件は何。」


早く、話を終わらせたい。
結城に視線を向けることなく、前方に視線を彷徨わせたままそう問いかければ、結城が小さく息を吐く。

そのまま黙って耳を傾ければ、結城がゆっくりと口を開いた。


「うん。ねぇ、片倉さん。笹川さんと、何かあったのかい？」


あああ。
予想通り、やっぱりまたこの質問か。
どいつもこいつも、他人のプライバシーに踏み込みすぎだ。


「……またその質問？あんたもしつこい。」

「ふふ。ごめん。でも、あれだけ楽しみにしていた合同練習、全然楽しそうじゃなかったから。」

「……気のせい。」


相変わらず、よく見てる。
結城は、こういうところ抜け目ないから油断できない。

小さく呟いただけで口を閉ざしたあたしの様子を窺いながら、結城は続ける。