依存偏愛
「スゴイなぁ、笹川さん。選抜メンバーのマネとか、超羨ましい!」
「そんなこと、ないよ。」
部活終了後、着替え中の更衣室で畑島さんはそう言って笑う。選ばれて嬉しかったのは事実、だけど別に、私はすごくない。
「中等部でもマネやってたから、選ばれただけだと思うよ。」
「ふぅん。じゃあその、中等部での働きが認められたんだね!」
それも、少し違う気がする。
私が半ば無理矢理、旭ちゃんを誘って男バスのマネを始めたくせに、仕事をそつなくこなしていたのはどちらかと言うと、私よりも旭ちゃんの方だった。
ドジが多い私より、旭ちゃんの方がよっぽど立派なマネージャーだったと思う。
そんなことを考えていると、畑島さんの視線は何かを思い出そうとするように、私に向けられていることに気がついた。
どうしたのかと首を傾げれば、畑島さんはゆっくりと口を開く。