依存偏愛

「……渓都とは、随分と仲良くなったみたいだね。」

「……気のせい。」

「素直じゃないな。」


誰が、あんなヤツと仲良くなるものか。
他人から、そんな風に思われているなんて、不覚だった。
でも何で今、椎名の話なんてするんだ。


「…そんな話をするために、あたしを呼んだ訳?」

「うん。そうだけど。」


訝しげに結城へと向けた視線。
その視線の先、あっけらかんとそう言い放った結城に、思わずため息がもれた。


「……帰る。」


汲み取れない真意に、苛々する。
< 180 / 212 >

この作品をシェア

pagetop