依存偏愛
涙が、零れそうになる。
でも今は泣いちゃいけない気がして、ぎゅっと唇を噛み締めた。
…――言わなきゃ。
旭ちゃんにちゃんと、私の気持ちを。
もう、離れたくない。
傍に居てほしい。
嫌な記憶が、脳裏を過ぎった。
「ごめんね、あーちゃん。私が悪かったの。だからそんなこと、言わないで。今までみたいに、私の傍に居て……!」
切実、だった。
今のままじゃ、私はきっと……否、絶対。
あーちゃんの存在が無いと、
生きていけない。
【CHAPTER:10/side*SHIZUKU/END】