依存偏愛
いきなりの部外者の登場に動きを止めた私達を、訝しげな2人の視線が無遠慮に貫く。
まるで、今の私達の状況を把握しようとするかの如く彷徨った彼らの視線は、2人とも、ある地点で凝視に変わった。
しだいに歪んでいく、椎名くんと大城くんの表情。普段飄々としている椎名くんまで、そんなふうに表情を固くするなんて珍しい、とか思いながら視線を辿る。
すると彼らの視線の先にあったのは、旭ちゃんに触れられたままの私の腕と、旭ちゃんの白い腕。
……否。
正確には、私達の腕に残る、あまりにも異様なお揃いの傷痕だった。
――やばい。
そう認識するのとほぼ同時に、何気なく右腕を身体の後ろへと隠す。
傷痕をしっかり見られなかったことを願いつつ、未だ訝しげに私達を見つめる2人に苦笑を向ければ、相変わらず眉間にシワを寄せたままの椎名くんが口を開いた。