依存偏愛
「……何じゃ、おまんら。何で同じところに、全く同じ傷があるん?」
―――ああ、見られてしまった。
不思議そうに、怪訝そうに。
余りにもダイレクトに投げ掛けられた、私達へと向けられる椎名くんの問い。
でもそんなのはどうでもいい。
今は何より、私と旭ちゃんの誓いの傷痕を他人に見られてしまったことに、何とも言えない焦りを感じた。
募る焦燥感に、ぞわりと背筋に悪寒が走る。
「何や、自分ら。お揃いの傷なんか作って、もしかして、そーいう関係なん?」
そんな私を追い詰めるように、続けて今度は大城くんから投げ掛けられた問い。
けれど、からかうように、だけど問い詰めるように、そう笑いながら紡がれた大城くんの言葉には答える気にはなれなかった。
どうしようどうしよう。
そんな気持ちばかりが頭を巡る。
堂々巡りする心境に耐え切れず、目を伏せて俯けば、隣から小さく旭ちゃんのため息が聞こえた。