依存偏愛
side*ASAHI
久しぶりに雫と会えて、嬉しかった。
一緒にいられて、幸せだった。
そして合宿初日は、何事もなく……っていうのは少し語弊があるかもしれない。
練習自体は順調だったけれど、まさかあの場で、椎名と大城があそこに来るなんて思わなかった。
椎名だけにじゃなく、大城にまで傷痕を見られた。しかも雫の傷痕まで見られてしまうなんて、本当に最悪だ。
……まぁ、その後は椎名と大城と話すことはなかったし、2人も何かを問いかけてくる訳じゃなかったけれど。
雫に害がないように、2人を変に警戒したまま、賑やかで騒々しかった夕食を終えた。
でもそんなあたしの心配も虚しく、特に何もないままむかえた自由時間。
せっかくの雫と一緒に過ごせる時間だし、これ以上変に気を張って無駄にするのもバカバカしいか。
そんなふうに思い、雫と大浴場へ行ったりロビーをふらふらしたりして、久々にのんびりとした時間を過ごした。
そしてロビーの人が疎らになってきたのを境に自室へと戻り、部屋に入るなり自分のベッドに倒れ込む。
ギシッと耳障りな音に眉を寄せれば、後ろから雫の笑い声が聞こえた。