依存偏愛
side*SHIZUKU
私達が4歳のとき、両親が離婚した。
私は父親に引き取られ、誰よりも大切な双子の片割れと離れ離れになった。
“だいじょうぶ。あさひとしずくは、はなれててもずっといっしょ。”
最後にそう言ってくれた旭ちゃんの言葉に、どれほど私が支えられたかなんて、他人にはわからないだろう。
でも、本当の地獄はこれからだった。
旭ちゃんと離れて暮らすようになってまもなく、お酒に溺れた父から暴力を振るわれるようになった。
痛くて、ツラくて、苦しくて。
それでも堪えてこられたのは、私には旭ちゃんがいるから。明日になれば旭ちゃんに会える。だからそれまで、我慢すればいい。
けれど、次第に暴力がエスカレートしてきたのは事実で。絶えない生傷に、幾度となく旭ちゃんが悲しそうな顔をするのを見て、私がいたたまれなくなった。