依存偏愛
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カーテンを閉め切った、薄暗い自分の部屋。
椎名に背を向け屋上を出た後、カバンを教室に取りに行ってそのまま、誰にも告げることなく早退した。……というか、ただサボっただけか。
でもあのまま、残りの授業を受けて、部活に行って、だなんて、そんな気分ではない。
カバンを放り投げ、着替えることなくソファーに横になりながら、ゆっくり気持ちを落ち着けようとする。
でも、帰路についていた間も今も、椎名の言葉がぐるぐると頭の中を回って離れない。
こうやって無遠慮に他人のプライバシーにずかずかと踏み込んで来るなんて、一体椎名は何を考えているのか。
――ああ、ムカつく。
あの飄々とした態度も然り、つかみどころのない性格も。
言い触らす気もないのに、わざわざ調べて本人に突き付けるとか、やっぱり意味も意図もわからない。
薄暗いせいか、余計視力が落ちたせいなのか、ぼんやりとぼやける天井を見ながら、またため息が零れた。