依存偏愛
狼狽する私を見て、畑島さんは楽しそうに、そして蔑むように、ニタリと口角を上げる。
「……どういう、こと、かな?畑島さん。」
「あはは。わかってるくせにー。皆ね、笹川さんが気に入らないんだってー。」
だからって、どうして。
言葉に詰まり俯く私の顔を、笑みを消した畑島さんが覗き込む。
「あたしもね、笹川さんが嫌いなんだよねー、ぶっちゃけ。ちょっと経験があるからって選抜メンバー専属のマネになったりさ、先輩方にヘラヘラしたりするのとか、見るに堪えない。」
畑島さんがそんなふうに思っていたなんて、全く知らなかった。でも、そんなの、ただの嫉妬でしょ?
そう言葉にすることができなかったのは、私自身が1番、私の至らなさを理解しているから。
唇を噛み締めるだけの私の目の前、畑島さんの後ろにいる3人が嘲るように高笑いする。
その嘲笑が気持ち悪くて、吐きそうで。
思わず耳を塞げば、その手は呆気なく畑島さんに掴まれてしまった。