依存偏愛

「な、何でもないわよ!……行きましょ!」


誰?みたいな表情を浮かべる3人を引き連れ、まるでマンガの捨て台詞のような言葉を吐いた畑島さんは倉庫を足早に出ていく。

その背中を見つめた後、彼の視線は再び私へと向けられた。

―――変な詮索は、無用。
私に、構わないで。

そう思いながら急いで立ち上がろうとしたのに、やっぱりさっきの捻りで痛めたのか、右足首が痛い。

思わず顔をしかめてしまった私に、吉沢くんは眉を寄せる。


「……足、大丈夫ですか?」

「…っ!大丈夫、だから!」


目の前に差し出された手を、振り払う。
吉沢くんの優しさを気遣う余裕なんて、今の私には無かった。

訝しげに眉間にシワを寄せる彼の横を通り、足を引きずりながらも体育館へと向かう。

……ああ、もう。
今日は神部先輩に謝って、休ませてもらおう。この足じゃ、ちゃんと仕事なんてできそうにもない。余計、迷惑をかけるだけだ。
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