依存偏愛
そんな沈黙を破ったのは、他でもない大城くんの問い掛けだった。
「……なぁ、聞いてもええ?」
「何?」
「サクと付き合うとるって、ほんまなん?」
でもあまりにもダイレクトに、心に潜む罪悪感に触れられ、ドキッと心臓が大きな音を立てた気がした。
それにしても何で、大城くんがそんなことを聞くんだろう。
そもそも、何で付き合っていることを知ってるの?私は誰にも、言ってはいないはずなのに。
「何で知ってるのか、っちゅう顔やな。
ただ俺は、笹川が体育館来る前に、サクが涼介と話しとるのを聞いただけや。」
私の困惑を見透かすように、さらっと述べられた言葉。でもそれなら。大谷くん本人が話していたのなら、わざわざ私に確認する必要なんてない。
「付き合ってるけど、それがどうかした?」
だからそう挑発的に問い掛け返せば、隣を歩く大城くんが急に足を止めた。つられるように、私の足も止まる。
そして私に向けられた大城くんの表情には、いつものふざけた感じは全くなくて。彼には不釣り合いな真剣な雰囲気に、思わず肩が揺れる。