依存偏愛

「…なぁ、笹川。自分ほんまに、サクのこと好きなん？」

「え？」


さっきから本当に、何を言っているんだろう、彼は。
どうしてそんなことを、私に聞くんだろう。

笑みが引き攣る。
嫌な汗が、背筋を伝う。


「何、言ってるの？大城くん。」

「だってそうやろ？今までサクが好きやっちゅう様子、全く見せへんかったやないか。」


それはそうだよ。だって本当は、好きなんかじゃない。ただ旭ちゃんを誰にも取られないように、それだけの理由で付き合ってるんだから。

でも、そんなこと。
他人に言えるわけがない。

だから私は、未だ真剣な表情で私を見る大城くんの言葉を笑い飛ばすように、彼に笑みを向けた。


「変な大城くん。いくら何でも、私が嫌いな人と付き合う訳無いじゃない。私は好きだよ、大谷くんが。」


…――嘘つき。

嘘つき嘘つき嘘つき。
やっぱり私は、最低だ。