依存偏愛
side*ASAHI
―――ああ、ウザい。
それが最近の、椎名に対するあたしの本音だった。
あの日、あたしが部活をサボった日から、本当にしつこいくらいあたしに付き纏ってくる椎名。
特に何を言ってくる訳でもないけれど、本気でストーカー被害で訴えたくなるほどにストレスが溜まる。
あたしは椎名に、用事なんて無いのに。むしろ、構わないで欲しいのに。
まぁ、仮に話し掛けてきたとしても、ことごとく無視するだけなんだけど。
そんな中、あたしの唯一の救いが椎名とはクラスが別であることだった。別段親しい友人が居る訳じゃなくて、あたしへの無駄な干渉の無いクラスが、1番過ごしやすい。
……とか言いつつ、例の如く授業をサボり、あたしはまた屋上へと来ている訳だけれど。もともと、集団生活は苦手だ。他人に合わせるなんて、吐き気がする。
相変わらず広がる青い空に手を突き上げ大きく息を吸い込めば、新鮮な空気が肺を満たした。
…――やっぱりここが、1番落ち着く。