心霊旅館 焔-ホムラー
「俺に……4人殺せと……!?」
「そういうことだな」
サクラを見詰めるホロウの瞳。
それは、狂気の色に輝いていた。
サクラはうつむく。
そして――
「クックックッ……」
サクラの笑い声が、闇の中に響き渡った。
「ホロウ……とか言ったな……?」
サクラはゆっくりと顔を上げ、ホロウを睨んだ。
ややあって、その口が開く。
「いいだろう……その条件、受けてやる」
低く静かな声。
だが、強い意志を感じる声が響いた。
「人間よ……本当にいいのだな?」
「ああ――」
サクラは、そっと瞳を閉じる。
(俺にはもう……失うものなんて何もないから……)
そして、再び瞳を開いたとき――
そこには、狂気の炎が静かに輝いていた……