年上王子様とのアリエナイ××②
「そんなことないよ、理恵ちゃ」
「あるのよ」
「ないって..」
「あるって言ってるじゃない!!」
すごい剣幕であたしを見つめる理恵ちゃん。
こんな悲しそうな理恵ちゃん・・初めて見たよ・
「りえ・・ちゃん」
「好きな人が誰を想ってるかくらい分かってるよ。最初はそれでもいいって想ってたけど・・でも」
ぽたぽたっと落ちる涙を必死で拭いながら泣き出す。
「も、う苦しい・・っく、あたし・・もう限界だよ」
「理恵ちゃ」
近づくあたしに
「柚子が、羨ましい・・あたしずっと想ってた、愛されて
好きでもない人からも..あたしの好きな人からも愛されて。
たまに憎らしいって思ったり..ごめ、あたし、友達失格だ」
「理恵ちゃん!!」
理恵ちゃんは走って行ってしまった。