年上王子様とのアリエナイ××②


「そんなことないよ、理恵ちゃ」

「あるのよ」

「ないって..」

「あるって言ってるじゃない!!」



すごい剣幕であたしを見つめる理恵ちゃん。


こんな悲しそうな理恵ちゃん・・初めて見たよ・



「りえ・・ちゃん」


「好きな人が誰を想ってるかくらい分かってるよ。最初はそれでもいいって想ってたけど・・でも」


ぽたぽたっと落ちる涙を必死で拭いながら泣き出す。



「も、う苦しい・・っく、あたし・・もう限界だよ」

「理恵ちゃ」



近づくあたしに


「柚子が、羨ましい・・あたしずっと想ってた、愛されて
好きでもない人からも..あたしの好きな人からも愛されて。
たまに憎らしいって思ったり..ごめ、あたし、友達失格だ」


「理恵ちゃん!!」


理恵ちゃんは走って行ってしまった。


< 104 / 239 >

この作品をシェア

pagetop