年上王子様とのアリエナイ××②


「理恵ちゃん違うの、これは!!」

近付いて手を掴もうとするあたしに

「触らないで!!」

理恵ちゃんがあたしの手を振り払った。


「理恵ちゃん..」


どうしよう、こんな時どうしたらいいんだろう。



「理恵、..お、俺お前に話があるんだ」


凄く冷たい空気が流れる中で、口を開いたのは祐くんだった。


「あたしは何も話すことなんてないって」

「明後日の夏祭り。俺待ってるから、お前が来るの」


祐くん..


「何であたしがあんたなんかと行かなくちゃいけないのよ」

「いいから!待ってるから!!」


祐くんの大きな声に驚いた理恵ちゃん。

ハッとしたように我に返ると


「あ、あたしは絶対に行かないから!!」


そう言って走って行ってしまった。



「来てくれるかな?」

祐くんと別れてマンションに向かう途中、ぽつりと呟くあたしに


「さぁな」

中村さんは冷たい返事を返しただけだった。


「中村さん、どうしよう、理恵ちゃんがもしこのまますれ違ったまま祐くんと」

「本当にお前は人の事ばかりで忙しいな」


中村さんはそう言うとあたしの頭を優しく撫でる。


「大丈夫、多分来る」

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