年上王子様とのアリエナイ××②

チラッと理恵ちゃんを見ると何故か笑顔であたしを見ている。


何なんだろう?


なかなか動こうとしないあたしに


「ほら、行った行った」


背中を押して無理矢理に足を進めさせる。


窓の近くに来ると


「下、見てごらん?」


翔さんの優しい声が耳に響いた。




「嘘、何で?」



どうして..何でここに翔さんがいるの?




「ちょっと!今、修学旅行中ですよ?」

「俺が君に会いに来るのに理由なんて必要ある?」


いつものいたずらっぽい声。

ムカつくくらい完璧な笑顔。



「降りておいで、柚子」

「でもあたし・・」

「おいで、柚子」


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