年上王子様とのアリエナイ××②

先生も女の人なんだよね。


ただの恋する女の人なんだ。


「結婚してますよ..あたしと」


ここでそう言ってしまえばいいんだろうけど。


そこまで残酷な言葉は言えなかった。


「分からないです。失礼します」


もう一度言って背中を向けると

今度こそ先生は声をかけなかった。





「あたしがあんたなら絶対に言うよ!!」

部屋に戻って相談すると理恵ちゃんはそう言ってくれた。

「そう、かなぁ」

「あんたさ、いいひと過ぎるのよ」

「そんな事ないよ」

「じゃあ言っておくべきだったんじゃないの?」

「でもそれを知っても先生が信じてくれる可能性は低いよ」

「何で?」

「あたしだったらきっと..」


好きな人の事だもん。

他人から言われた言葉なんて

きっと信用出来ない。




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