年上王子様とのアリエナイ××②
ぽたぽたと落ちる涙は
拭うまもなく床に落ちていく。
「柚子、すまない」
歪んだ視界の中で、翔さんが深々と頭を下げる。
そんな謝られたってあたしのきもちは簡単にに変わらないよ
翔さんはもうあたしを何とも思ってないの?
もう好きじゃなくなったの?
そう聞けたらどんなにいいんだろう。
でも臆病者のあたしはそんなこと聞けないよ。
ただ、こうして泣くことしかできない。
「あたしは絶対に嫌」
何とか踏ん張って口を開いたあたしに
「柚子、諦めなさい」
お父さんの厳しい声が胸を突き刺す。
「どうして?何でお父さんまでそんな事..言うの?あたしが、選んだ、人
なんだよ?」
一生傍にいるって決めた相手なんだよ?
なのに..
「これからどうなるか分からない男と一緒に暮らすなんてお父さんは絶対に
許さない」