年上王子様とのアリエナイ××②
第四章 悲しい現実
夢と現実
「愛してるよ」
いつもと同じ声で囁くのは
あたしの大好きな人。
「ほら、しょうがないな。おいで」
彼は少し呆れ笑いをしてからゆっくりと手を差し出す。
その手に、
その手をあたしは握ってもいいの?
触ってもいいの?
躊躇してるあたしに
「つかまんないの?」
今度は怒った声。
そうだよね。
だってあたし達夫婦なんだもん。
繋いでもいいんだよね。
安心して手を伸ばそうとしたその時だった