年上王子様とのアリエナイ××②
「翔さん」
レストランに入ろうとする翔さんの後ろ姿を見つけて追いかける。
好きな人を見付けるのは簡単すぎて。
そして緊張した。
「柚子・・なぜここに」
振り返った翔さんが驚いた顔をしてあたしを見つめる。
「はっきりさせに来たんだよ。そしたら柚子も気が済むだろ?」
後ろから聞こえた声。
中村さんが庇うようにあたしの前に動いた。
「君も柚子につきまとうなんて、相変わらず暇だな。三橋に戻らなくてもいいのか?」
「戻るさ。お前のおかげでな」
「そりゃあどうも」
「翔さん、あたし」
そこまで口にすると
「柚子、帰りなさい」