年上王子様とのアリエナイ××②
嘘だよね?
冗談だよね?
「それとも家庭裁判でも起こす?俺は別に君に慰謝料を払っても構わないよ。
それで君が納得できるならな」
次々と刺さって来る言葉。
「お前、何言ってんだよ」
「君もさ。今更なに善人ぶってるわけ?」
「お前」
「どうする?柚子。君が決めていい。どうしたい?」
そこにはあたしとやり直すっていう決定権はないの?
あたしへの気持ちは一ミリも
残ってないの?
呆然とするあたしに
「遅くなってごめんなさい」
後ろから女の人の声が聞こえた。
その人は慌ててあたしを通りこして翔さんの隣に行く。
絡ませた腕は
その場所はあたしの場所だったのに。
なんで、どうして
「志保、さん」
志保さんがここにいるの?